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インタビュー 金精軒韮崎店様の工事について

物件は山梨県韮崎(にらさき)市の和菓子屋「金精軒(きんせいけん)」(金精軒製菓㈱、本店・北杜市)の新築工事の屋根工事、でよろしいですね?

はい、その通りです。

金精軒さんにも、記事になることお伝えしていただければ助かります。いかがでしょうか?

はい、大丈夫です。

また、スタジオ・ベルナ一級建築士事務所様と匠建築工房様にも承諾を頂いています。併せて報告させて頂きます。
屋根工事は元請けの工務店から請けた、でよろしいですか?

いいえ、当社は設計事務所から直接お話を頂いております。設計事務所様から施工会社へ紹介を受けた形になります。
設計の段階から「このようなイメージの物件がありますが、その場合どのような瓦を仕様すれば良いか?」などの問い合わせを頂き、助言した経緯があります。
ちょうど1年ほど前になります。

切妻屋根ですね?

はい、切妻屋根になります。

屋根面積と屋根勾配を教えてください

本棟(画像提供)は、68.96坪=227.97㎡5寸勾配になります。
入口(門)現在施工中は、11.18㎡=3.38坪切妻屋根4寸勾配です。

瓦を施工した時期を教えてください

2018年5月の初旬から瓦施工を始めました。

建物の構造は木造平屋建てでしょうか?

はい、木造平屋建てになります。

使われた瓦の産地と製造元を教えてください

三州瓦創嘉瓦工業になります。(鬼瓦はマサヨシ様)
また、半月巴(4.5寸)・ローソク素丸(4.5寸)と7分反り熨斗は、(有)石保様になります。

屋根の下地は野地板(板厚何ミリ?)ですか?

構造用合板12ミリになります。

ルーフィングは何を張りました?メーカーと品名が分かれば、それも教えてください。

田島ルーフィングの三星Pカラ-EX+になります。

大棟の長さは何メートルですか?大棟の鬼瓦は七福神のうちの恵比寿様ですね?

大棟の長さは、17メートルになります。
大棟の鬼瓦は、南側に大黒天様・北側に恵比寿様になります。
恵比寿様:商売繁盛の神様。大黒天様:財宝、福徳開運の神様。地域密着の事も考え、恵比寿様と大黒天様の鬼瓦仕様になった経緯があります。

大棟ののしの積み方は、台のし1段→肌のし1段→割のし5段→天のし1段→素丸瓦納め、で、反りのし瓦を使った、でよろしいでしょうか?

はい、その通りです。素丸は、5.5寸の多聞丸、反り熨斗の割合は、厚熨斗(台熨斗・肌熨斗)は全て中反り、7分熨斗(割り熨斗5段・天熨斗1段)は、7(中反り熨斗)対3(大反り熨斗)の割合になります。

今回の瓦工事で苦労した点は?

設計会社の描くイメージと当社の思い描くイメージとの歩調だと思います。
本物件は、お互い満足の得られる形になったと思います。

今回の瓦工事で印象に残っているエピソード(瓦施工のこと、金精軒さんとのこと、何でも構いません、今回の記事の柱になります)

初めに金精軒様の事を申し上げます。

金精軒様は、山梨県だけに留まらず全国的にも名前の知られている和菓子屋さんです。
私が子供の頃から親や親戚らに連れられ、和菓子を買ってもらい喜んでいた記憶があります。
幼少の頃から慣れ親しんでいた金精軒様の工事に携われた事に感謝を申し上げます。
今後も様々な家族と慣れ親しむ金精軒様と共に瓦(店舗の顔)も共存していく事に誇りも感じますし、次世代へのバトンタッチにも繋がると考えています。
ありがとうございます。

次に瓦施工についてです。

当店舗は、141号線の国道に面しています。この141号線は、通称「清里ライン」と称している国道です。
普段もそうですが週末は、かなり車の往来が激しい箇所になります。それだけ人に見られる場所にもなります。
そのような中で、いかに瓦の良さをPRしようかと設計段階から話を頂いた時から常に考えていました。

まずは、鬼瓦に興味を抱かれると思います。
施工中から金精軒の社員様やお客様から「あの鬼瓦は、大黒天様ですか?」などと聞かれる事多々ありました。
鬼瓦の台の幅が少し小さめでしたので、化粧丸は4.5寸のローソク素丸を仕様しました。そのような仕様にすることにより、鬼瓦が生きる・存在感が増すのではないかと考えました。また、半月巴は少し膨らみを作らせています。(石保様へ特注)膨らみを持たせたことにより、優しさをイメージ。
次に大黒天様と恵比寿様とを繋ぐ本棟です。
ダイナミックに魅せたいし、スマートにも魅せたいと思い、厚熨斗2段・7分熨斗6段の選択に至りました。

ここで苦労した点は、全て反り熨斗を仕様した中で、いかに棟を(特に鬼際)を反らせない形に留めるかです。
また、反り熨斗との間の空きを一定間隔に魅せる技術でしょうか。

最後に匠建築工房様との打ち合わせになります。

瓦の割り込みを全て原寸図等で打ち合わせを致し、無駄を無くした努力になります。
このような打ち合わせは、現場工程の中で一番重要視だと考えています。

御社は山梨県甲府市の千野瓦工業で、代表は千野浩也(ちの・ひろや)さんでよろしいですね?

はい、その通りです。

千野さんの生年月日を教えてください

1973(昭和48)年2月14日になります。

今回の建物設計がスタジオ・ベルナ一級建築士事務所(甲府市)、元請けが(有)匠建築工房(笛吹市)ですね?

はい、その通りです。

掲載させていただく画像は添付の2点です。ありがとうございます。

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